コロナ自粛も解除されてしばらく経ち、不安定ながらもゆっくりと、様子を見ながら日常へ戻ろうとしています。

自粛期間中は、長い時間を家で過ごしたことで、気持ちのいい家で過ごすことの重要性やありがたみを改めて感じた方も多いのではないでしょうか。

実際に、今年のゴールデンウィークの自粛期間中は全国民が家にこもった結果、全国でゴミの排出量が一気に増えたとも報道されました。

たくさんの方が住環境を見つめ直し、家の掃除に力を入れたからだと思います。

わが家も例にもれず、家の居心地アップ作戦として、通称こんまりさんこと近藤麻理恵さんの『人生がときめく片付けの魔法』を読み、春の大断捨離祭りを開催しました。

家づくりや収納計画も、片付け法も、目的は同じく家主にとっての「居心地のよい家」を目指して行われますが、

こんまりさんは「片付け」にフォーカスして子供の頃から深く研究を重ねた結果、独自のリバウンドしない片付け法を確立され、その方法は現在では日本を越えて全米でも大ヒットしています。

私たちは日々、お施主さまの「どんな家に住みたいか、どんな風に暮らしたいか」に向き合い、収納に関しても研究しプランに入れていますが、片付け法は少し別のアプローチになるので、今までお伝えする機会はほとんどありませんでした。しかし実際のところ、居心地の良い家で理想の生活をおくるにあたって、家だけではなくモノとの関係もかなり重要な役割を担っているのも事実。

今回、「片付けの魔法」をやってみて、こんまりさんの言う「どんなモノに囲まれて暮らしたいか」が「どんな家に住みたいか、どんな風に暮らしたいか」の中の本当に重要な一要素だと実感し、お引き渡し後、理想の家に住み始めたお施主様の居心地のよい暮らしをよりアップできるのではないかと思っているので、感想含め簡単にご紹介させていただきたいと思います。

「片付けの魔法」の基本の流れとおおまかなポイントは、以下の通り。

①洋服 → 本 → 書類 → 小物 → 思い出の品 → 写真 の順に手をつけていく。(キッチン・お風呂・トイレはもっと後)

②どんなモノに囲まれて暮らしたいか、心の「ときめき」を基準にして、一通りモノをクローゼットから取り出して、まずは取捨選択を終わらせる。

③残すと決めたモノと、よりときめく暮らしを実現するために、どこへどのように収納するか定位置を決める。

④そして、使ったら定位置に戻す。

やってみた感想ですが、

クローゼットは閉じてしまえば、扉の中の状態がゴチャゴチャなのか整頓されているかはわからないはずだし、すでに片付いた本棚に目線を送っているわけでもないのに、不思議と部屋の空気が軽くなっているのを感じていて、こういうのが気の流れというのかもしれないな、と思っています。すごく気持ちがいいです。

片付けはもともと「片を付ける(方を付ける)」からきていて、

「片を付ける」は物事をきちんと処理する。けりをつける。決着をつける。(出典 三省堂大辞林 第三版)

という意味なので、気持ちに片を付けたから、軽く感じるのかもしれません。

確かに、残す、残さないを選ぶ工程は、一つひとつのモノを通して、過去と未来と今の自分と向き合って決着をつける作業だと思いました。今まで何にお世話になって、今の自分はこれから何と伴に生きていきたいと思うのか。

そうやってモノを取捨選択し、自分たちがどこに何を持っているかをしっかり把握したことにより、今までよりも手持ちのモノを有効活用できるようになったと実感しています。そして、残したモノを活用し定位置に戻すことで、それぞれのモノや収納が本来の機能を発揮できるようになりました。

そこで、これが何かに似ているとふと思ったのですが、それは「体質改善」です。 生まれたときには特に何も不調のない体だったのに、成長と共に美味しいもの を覚えてついお菓子を食べ過ぎたり、慌しい生活の中で添加物だらけの手軽な食事を摂ったりしているうちに、いつの間にか太りやすい体質になったり体の不調がでてきたりして、その時点で生活習慣を省みて体質改善をしようと思うのです。

健康に気を使う人たちは合言葉のように「体の内側からキレイに」と言い、実際に「腸活」や「骨盤矯正」「ヨガ」など体の自活力を高める体質改善法を取り入れています。

健康な体づくりに本当に必要なものを選んで、本来の正しい体のポジションに戻すことで、もともと備わった機能を最大限に発揮できるようになり、不調になりにくい健康な体に変えていくという仕組みです。不調も消え、体も軽く感じます。

それを家で例えると、

引っ越したばかりの家には収納にも十分な余裕がありますが、その時々で必要なモノを買い、今ではほとんど使わないモノも大切にしまっておいた結果、クローゼットに入りきらなくなったモノたちが生活空間にまであふれ、それにつまづいたり不便を感じ、断捨離してみようかと思うわけです。(ちょっと大げさな例えですが) 居心地のよい生活に本当に必要なモノを選んで使用し、あるべき場所に収納することで、モノも家もその機能を十分に発揮できるようになることで、生活がスムーズになり、気持ちよく過ごせるようになります。

片付けの魔法は、まさに「体質改善」の家バージョンだと思いました。

こんまりさんも本に書かれているように、収納術は付け焼き刃。カンフル剤として一時的には有効かもしれませんが、溜まってしまった不要物が排出されず、そもそも根本的に解決していなければ、元の散らかりやすい状態に戻るのも時間の問題。一方、「片付けの魔法」は、この基本が一度身についてしまえば、どのようにすれば良いのか理解しているので、長きにわたって居心地の良い家を保てるようになると思うのです。

本質の時代と言われているいま、この片付けの魔法が国境を越えて流行るのは深くうなずけました。 気になった方や、ちょうどこれから片付けしようと思っていた方には、『人生 がときめく片付けの魔法』是非オススメです。

コロナの方は、特に都内で再び感染者数が増えてしまっており、まだしばらくはコロナと共にどう過ごしていくかが課題となりますが、みなさんやみなさんのご家族・大切な方達の健康に気をつけてできる限り気持ちよくお過ごしください。

追記:

まるで家の掃除がすべて片付いたような書き方をしましたが、ゴールデンウィーク中のわが家の断捨離祭では、実はまだ1/3が終わったくらいです。こんまりさんの本によると、一気にやるとは言っても、だいたい半年くらいかけて片付けていくそうなので、これからも引き続き片付け、さらなる家の居心地の良さアップ・家の体質改善を目指したいと思います!

以下は、ゴールデンウィーク中のわが家夫婦二人の成果。

・雑誌 63冊

・書籍 210冊

・洋服 45ℓのゴミ袋×7

・その他 45ℓのゴミ袋×4

と、「今までありがとうございました」のお別れをしました。

言うわりに少ないじゃないか!と思われるかもしれませんが、わが家は居住面積約70平米の2LDKの狭小住宅なので、これでも廊下が完全に埋まるくらいは断捨離しました。かなりのデトックスです。

そして、片付けをしてから2ヶ月経ちますが、片付けしたエリアに関しては、リバウンドしていません!(祝)