地域工務店が手掛ける新たな免震の木の家「壊れない」から「揺れない」
阪神・淡路大震災から10年という節目の年を目の前にした2004年10月、新潟県中越地震が起きました。さらに福岡県西方沖地震、2011年には東北地方太平洋沖地震など、日本が「地震列島」であることを改めて認識する昨今です。いつ起こるか分からない。しかしいつ起こってもおかしくない地震に対し、吉田工務店では社長が約20年前から取り組み、研究に研究を重ねてきた「ボールベアリング」方式の免震システムを提案しています。
「免震」とは建物と地盤の間に特別な装置を組み込むことにより、地震動が直接建物に伝わることを免れようとする技術です。つまり、建物と地盤を切り離し、緩やかに繋いでおくことで、建物に伝わる揺れを小さくしようというのが、基本的な考え方です。
「ボールベアリング方式」とは、ボールベアリングが転がることにより地震動を受け流そうというものです。ベアリング支承と、揺れを制御する減衰装置(オイルダンパー)から構成され小さな地震から性能を発揮します。ベアリング支承は、特定の固有周期を持っていないため、どのような地震にも共振しません。ボールによる点支持ですから、360度すべての方向に素早く対応します。そして、支承の受け皿は、1.5度の勾配を持っているため、地震収束後には完全に元の位置に戻ります。「小さな地震から性能を発揮する」「地震後、建物が数秒で元の位置に自動的に復帰する」という2点がこのシステムの大きな特徴です。
日本初の「免震システム」+「OMソーラー」の住宅
2004年9月に日本では初めてとなる「免震システム」+「OMソーラー」の住宅
が竣工しました。ベアリング支承が15基、オイルダンパーが8本設置されて
おり、その数と配置は建物重量と建物形状(プラン)により決まっています。
(ベアリング支承1基あたりの支持重量は9トンで計算します。)